なぜあなたの筋トレは効かないのか?「正しいフォームが全て」である理由

「ジムに通っているのに、なかなか体が変わらない」 「いつも決まった場所(腰や肩)が痛くなる」 「隣の人は自分より軽い重量なのに、なぜか良い体をしている」
もしあなたが一つでも当てはまるなら、その原因は「トレーニングフォーム」にある可能性が非常に高いです。
こんにちは。私は柔道整復師として体の構造を学び、自身も20年以上トレーニングを続けてきました。
多くの初心者、そして伸び悩む中級者を見てきた中で、断言できることがあります。
それは、「筋トレは、正しいフォームが全てである」ということです。
多くの人は「重い重量を扱えば筋肉がつく」と信じていますが、これは半分正しく、半分は危険な間違いです。
間違ったフォームで重い重量を扱えば、筋肉がつくどころか、関節や腱を痛め、最悪の場合、数ヶ月トレーニングができなくなる怪我につながります。
この記事では、体のプロとして、そして一人のトレーニーとして、なぜ「正しいフォーム」が何よりも重要なのか、そしてどうすればそれを習得できるのかを徹底解説します。
なぜ「正しいフォーム」が最重要なのか?
理由はシンプルに2つ。「怪我の予防」と「効果の最大化」です。
1. 怪我の予防【柔道整復師の視点】
これが最大の理由です。間違ったフォームは、特定の関節や靭帯に「意図しない過剰なストレス」をかけ続けます。
- スクワットで膝が内側に入る(ニーイン) → 膝の内側の靭帯や半月板にダメージが蓄積します。
- デッドリフトで背中が丸まる → 重量が全て腰の骨(腰椎)に集中し、ヘルニアやぎっくり腰の最大の原因となります。
- ベンチプレスで肩がすくむ → 肩関節を痛める典型的なフォームです(インピンジメント)。
私は仕事上、患者様の筋力アップのために自重のスクワットの指導をしたりもしますが、結構できない人が多いです。
一度大きな怪我をしてしまえば、数週間から数ヶ月、トレーニングはストップです。
その間に筋肉は落ち、モチベーションも下がります。怪我をしないことこそが、成長への一番の近道なのです。
2. トレーニング効果の最大化【トレーニーの視点】
筋トレは、「狙った筋肉に負荷を乗せる作業」です。
例えば、「胸を鍛えたい」と思ってベンチプレスをしているのに、フォームが悪いと、胸ではなく「肩」や「腕(三頭筋)」ばかりに負荷が逃げてしまいます。
これでは、いくら重い重量を扱って「やった気」になっても、肝心の胸は成長しません。

イメージとしては、前ならえした状態から、肩をあげずに肘を後ろに感じにすると無理なく引けて、胸もストレッチが加わると思います。

「100kgのベンチプレスを悪いフォームでやる」よりも、「60kgのベンチプレスを完璧なフォームで、胸に効かせる」ほうが、胸の筋肉はよほど早く成長します。
あなたは大丈夫?自己流フォーム「あるある」3選
あなたが無意識にやってしまっているかもしれない、危険なフォームの例を3つ挙げます。
1. スクワット:お辞儀スクワット 体を下ろす時、お尻を引かずに背中を丸め、お辞儀のようになってしまうフォーム。これでは太ももの前側にしか効かず、何より腰を痛めます。
2. ラットプルダウン(背中):腕で引いている 背中の筋肉(広背筋)を使えず、腕の力(上腕二頭筋)だけでバーを引いてしまっている状態。背中は全く成長せず、腕ばかりが疲れて終わります。
3. サイドレイズ(肩):反動を使っている 肩の筋肉は小さいので、重い重量を扱うとすぐに反動を使いたくなります。体を揺すって上げてしまうと、負荷は全て僧帽筋(首の付け根)に逃げ、鍛えたい肩の側面には全く効きません。
スクワットについてはこちらの電子書籍でも紹介していますのでご覧ください!
正しいフォームを習得する「4つの鉄則」
では、どうすれば正しいフォームを身につけられるのか?
私が20年間でたどり着いた結論は、以下の4ステップです。
鉄則1:プライドを捨て、重量を半分以下に落とす
これが最も重要であり、最も難しいことです。 周りの目を気にして、扱えない重さに挑戦していませんか?
そのプライドは今すぐ捨ててください。
まずは、「自分が完璧にコントロールできる軽い重量」まで一気に落とします。
バーベルだけ、あるいはマシンの一番軽い重りでも構いません。
恥ずかしいことでは全くありません。むしろ、上級者ほどこの「フォーム確認」を大切にしています。
鉄則2:鏡と動画で「客観視」する
自分では「できているつもり」でも、鏡で見ると全く違う動きをしていることは日常茶飯事です。
- 鏡でチェック:トレーニング中は必ず鏡で自分の姿を確認しましょう。
- スマホで撮影:これが最強の方法です。鏡では見えない横や後ろからのフォームをスマホで撮影し、休憩中に見返します。理想のフォーム(YouTubeなどで見本を探しましょう)と自分のフォームを徹底的に比較します。
鉄則3:「効かせる」筋肉を常に意識する
「ただ上げる、下げる」という「作業」になってはいけません。
例えばチェストプレスなら、「今、胸の筋肉が伸びている」「胸の筋肉が縮んでいる」と、常にターゲットの筋肉を意識し続ける(マインドマッスルコネクション)ことが、フォームの精度を劇的に高めます。
鉄則4:スローモーションで行う
特に「下ろす動作(ネガティブ動作)」をゆっくり行いましょう。
例えば、スクワットで「3秒かけてゆっくり下がり、1秒で上がる」といった具合です。
ゆっくり動かすことで、正しい軌道を確認でき、筋肉への負荷も高まります。
まとめ:急がば回れ。フォームを制する者が、筋トレを制す
筋トレで体を変えるのに、魔法のような近道はありません。
しかし、「正しいフォーム」という安全で確実な王道は存在します。
重い重量を追い求めるのは、完璧なフォームを身につけてからでも全く遅くありません。むしろ、その方が圧倒的に早く成長できます。
今すぐあなたのトレーニングメニューを見直し、扱っている重量が「正しいフォームで扱える重さ」かどうかを自問してみてください。その小さな勇気が、あなたの体を未来で大きく変えるはずです。
そして、さらに筋トレについてもっと知りたいという方は「筋トレで人は9割変わる」に書いてありますので、是非ご覧ください!
私の経験談のいろいろ載せております!
















