ベンチプレスの正しいフォーム|手幅・脇の角度・下ろす位置

2026年8月28日

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ベンチプレスは、フォームの細かい違いで効く場所も、扱える重量も変わります。とくに手幅・脇の角度・バーを下ろす位置の3つは連動していて、どれか1つがずれると全部がずれます。

この記事では、その3つをどう決めればいいのかを、基準になる考え方とあわせてまとめました。

この記事でわかること

  • 手幅による効果の違いと決め方がわかる
  • 脇をどのくらい開けばいいかがわかる
  • バーを下ろす正しい位置がわかる

フォームを決める基準は「前腕が床と垂直」

先に結論を書きます。手幅も脇の角度も下ろす位置も、バーを下ろしきったときに前腕が床と垂直になっているかで判断できます。

前腕が垂直であれば、力がまっすぐバーに伝わります。傾いていると、その分だけ力が逃げるうえ、手首や肘に横向きの負担がかかります。

この1点を基準にすると、3つの要素は自然に決まります。順番に見ていきます。

ベンチプレスの手幅はどのくらいがいい?

バーには81cmラインと呼ばれる目印(ローレットの切れ目)があります。ここを基準にすると毎回同じ位置を握れます。

手幅主に効く部位扱える重量注意点
狭い(肩幅程度)上腕三頭筋・胸の内側軽くなる手首・肘に負担が集まる
標準(81cmライン付近)大胸筋全体いちばん重い
広い(81cmラインより外)大胸筋の外側重いが可動域は狭い肩の前側を痛めやすい

手幅が狭い場合

肘を体に近づけて押すことになるので、上腕三頭筋の関与が大きくなります。腕を太くしたい方には有効です。

一方で、可動域が長くなるぶん重量は落ちます。三頭筋を狙う場合はナローベンチプレスとして、別の種目に分けたほうが効率がいいです。

手幅が広い場合

バーの移動距離が短くなるので、数字上は重い重量を扱えます。ただし、広げすぎると肩の前側に負担が集中します。

「記録は伸びたけれど肩が痛い」という場合、手幅が広すぎることが多いです。

結局どこを握ればいい?

まずは81cmラインに人差し指か中指をかけるところから始めてください。そのうえで下ろしきったときに前腕が垂直になるよう、数センチずつ調整します。

肩幅や腕の長さは人によって違うので、「何センチが正解」という答えはありません。自分の体で前腕が垂直になる位置が正解です。

ベンチプレスで脇の開きはどれくらい?

脇を開く角度の目安は45〜60度です。体に対して腕が「ハ」の字になるイメージだと考えてください。

よくある間違いが、脇を90度に開いてしまうことです。腕を真横に張り出した形になり、肩関節が窮屈な角度で押すことになるため、肩の前側を痛める原因になります。

脇を閉じすぎるのもよくない

逆に脇を締めすぎると、胸ではなく三頭筋の種目になります。胸を狙っているのに腕ばかり疲れるという場合は、脇が閉じすぎている可能性があります。

45〜60度というのは、胸に効かせつつ肩を守れる範囲だと考えてください。

肩が痛いときは角度を疑う

ベンチプレスで肩を痛める方の多くは、脇の開きすぎか、無理に胸まで下ろそうとしているかのどちらかです。無理に胸へつける必要はありません。詳しくはベンチプレスは胸につかないとダメ?にまとめています。

バーを下ろす位置はどこ?

目安はみぞおちから乳頭のあいだです。ただし、これも手幅によって変わります。

手幅下ろす位置の目安
狭いみぞおちに近い(やや下)
標準乳頭のあたり
広い乳頭よりやや上

位置がずれると何が起きるかというと、次のとおりです。

  • 下ろす位置が上すぎる(首寄り):肩に負担が集中します。肩を痛める典型的なパターンです
  • 下ろす位置が下すぎる(腹寄り):肘が体の後ろに流れて、押し返す力が出ません

ここでも判断基準は同じで、下ろしきったときに前腕が床と垂直になっていれば正しい位置です。鏡で横から見るか、スマートフォンで動画を撮ると一発でわかります。

セットアップの手順

毎回同じ順番で作ってしまうのが確実です。

手順やることポイント
ラックの高さを合わせる寝て腕を伸ばし、少し余裕がある高さ
足裏を床につけるかかとまでつけて踏ん張れる位置に
肩甲骨を寄せて下げるこれが土台。最後まで崩さない
81cmラインを基準に手幅を決める左右で同じ位置を握る
手首を立ててバーを支える手のひらの付け根に乗せる
脇を45〜60度でみぞおち〜乳頭へ下ろす前腕が垂直かを確認

ブリッジは組んだほうがいい?

ベンチプレスで背中にアーチを作ることを「ブリッジ」と呼びます。競技として取り組む方はしっかり組みますが、一般的なトレーニングとしては軽く組む程度で十分です。

ブリッジを組む理由

胸を高くすることで、バーの移動距離が短くなります。同じ重量でも挙げやすくなり、肩の可動域にも余裕が生まれるため、肩を痛めにくくなるという利点もあります。

つまりブリッジ自体は悪いものではなく、むしろ安全性を高める要素でもあります。

腰を痛めるのはやりすぎたとき

問題になるのは、お尻が浮くほど極端に反らせた場合です。この状態では腰が反りすぎて、腰椎に圧迫がかかります。

また、お尻がベンチから離れると支点が2つ(肩と足)だけになり、バランスも崩れやすくなります。

目安は次のとおりです。

  • お尻はベンチにつけたまま:浮いたら反らせすぎです
  • 肩甲骨を寄せて下げた結果として自然にできる程度のアーチに留める
  • 足裏は床につけて踏ん張る:つま先立ちにならないようにします
  • 腰に張りや痛みが出たら反りを減らす

柔軟性には個人差がありますので、無理に高いアーチを作ろうとしないでください。肩甲骨を寄せて下げたときにできる自然な隙間があれば、それで役割は果たしています。

腰が痛くなる場合の対処

反りを減らしても腰に来る場合は、膝を立てて足をベンチの上に乗せるやり方(フットアップ)を試してみてください。アーチがほぼなくなるので腰への負担は減ります。

ただし下半身で踏ん張れなくなるため、扱える重量は落ちますし、バランスも取りにくくなります。腰の状態が落ち着くまでの一時的な方法として使ってください。

フォームが安定しないときは

手順どおりにやってもバーがぶれる場合は、原因が別にあります。

  • 重量が重すぎる:コントロールできない重さでは軌道は安定しません
  • 手首が負けている:手首が寝ると重心が手のひらから外れます
  • 支える筋肉が足りない:広背筋と三頭筋を補助種目で鍛えてください

手首については、リストラップを巻くだけで解決することが多いです。数千円で買えるものですし、高重量になるほど効果を感じやすくなります。

ふらつきの原因を詳しく知りたい方はベンチプレスでふらつく・バランスを崩す原因と直し方を、重量が伸び悩んでいる方はベンチプレスが上がらない原因と上げるコツをご覧ください。

ベンチプレスの正しいフォームのまとめ

  • すべての基準は「下ろしきったときに前腕が床と垂直」
  • 手幅は81cmラインを基準に、そこから数センチずつ調整する
  • 脇の開きは45〜60度。90度は肩を痛めます
  • 下ろす位置はみぞおち〜乳頭。手幅によって変わります
  • 肩甲骨を寄せて下げ、足裏で床を踏む

ベンチプレスは、重量を追いかける前にフォームを固めたほうが結果的に早く伸びる種目です。一度スマートフォンで横から動画を撮ってみると、思っているフォームとの差がはっきりわかりますのでおすすめです。

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